PS5ディスク終了に激怒したファンが、なぜか無関係なインディー開発者に飛び火した話——炎上の“矛先”はなぜズレるのか
本記事は2026年7月22日時点の情報です。海外コミュニティの反応やコメント数は、出典先の報道および当ブログによる要約で、原文投稿の直接転載ではありません。おもな出典:Push Square、Kotaku、Dexerto、VGC。
PS5のディスク(物理パッケージ)をめぐる話は、もう聞き飽きたという人も多いと思います。 でも、その怒りのせいで、まったく無関係な小規模インディー開発者が矢面に立たされ、マーベルの新作トレーラーのコメント欄が皮肉で埋まった——という“第2幕”は、たぶんまだ知らないはずです。
これは「誰が悪いか」を裁く記事ではありません。むしろ気になるのは、怒りの矛先が、なぜ正しい相手からこんなにも簡単にズレていくのかという一点です。 今回の“とばっちり炎上”を海外報道で整理しながら、その現象そのものを2026年7月22日時点で考えてみます。
📌 この記事でわかること
- 発端——PS5向け新作の物理ディスクをめぐる報道と、コミュニティの反発
- とばっちり①②——無関係な小規模インディー開発者や、別スタジオの告知投稿への流れ弾
- とばっちり③——マーベル『ウルヴァリン』新トレーラーのコメント欄が皮肉で埋まった件
- この記事の核——なぜ怒りの矛先はズレるのか。SNS特有の「怒りの伝播」構造を実例で言語化
発端:PS5の“物理ディスク”をめぐる不安
ことの起点は、2026年7月1日にPlayStation公式ブログが出した発表でした。要点はシンプルで、2028年1月以降に発売する新作については、物理ディスクの製造を終了する——つまりそれ以降の新作はダウンロード版のみになる、という内容です。すでに発売済みのタイトルや、2028年1月より前にディスクで発売される作品は影響を受けないとされています(公式は「デジタルメディアへの選好が物理ディスクを大きく上回っている」ことを理由に挙げています)。
物理パッケージを集める文化を持つ層を中心に、この発表には強い反発が起きました。ここまでは、正当な不満だと思います。
ただ、この記事で追いかけたいのはディスクの是非そのものではありません。物理メディアが好きな人の気持ちも、よくわかります。問題は、その正当なはずの不満が、まったく関係のない相手へ次々と飛び火していったという“その後”のほうです。
とばっちり①:無関係な小規模インディーが矢面に
最初に流れ弾を受けたのは、ディスクの決定権など持ちようもない、数人規模の小さなインディースタジオでした。海外報道(Push Square/Dexerto)によれば、ある2人組の開発者は、自分たちの新作トレーラーがPlayStationの公式チャンネルに載ったところ、コメント欄が「デジタル版を中止して物理版だけにしろ」という要求で埋まったと伝えられています。ゲームの中身ではなく、ソニーのディスク決定への不満が、無関係な小さなスタジオへ向かってしまったわけです。
興味深いのは、その開発者たちの返答が実に冷静だったことです。報道によれば、彼らは「うちはたった2人。物理版だって出したいけれど、まずはデジタル版がうまくいくか次第。小規模には物理版はコストもリスクも大きい」という趣旨を説明し、「PS5版を中止したら、むしろ自分たちとそれを望む人が損をするだけだ」と諭したといいます。決定権を持たない側が、怒っている側をなだめる——この時点で既に、矛先がズレているのは明らかでした。
本記事では、この開発者たちを“被害者”として扱う方針から、スタジオ名・個人名・アカウント・投稿のスクリーンショットは掲載しません(情報が取れないからではなく、二次的に晒さないための編集判断です)。彼らは炎上の原因をつくった当事者ではなく、たまたま射線上にいただけの人たちだからです。詳細は出典元(Push Squareほか)の報道に譲ります。
ここで一度立ち止まりたいのですが——ディスクを作るかどうかを決めるのは、プラットフォーマー(ソニー)や大手パブリッシャー側の判断です。数人でゲームを作っている小さなスタジオに、その決定を覆す力はありません。にもかかわらず矛先が向く。この“ねじれ”こそ、今回いちばん考えたいポイントです。
とばっちり②:別スタジオの告知投稿への流れ弾
飛び火は一か所では止まりませんでした。ディスク騒動とは直接関係のない、別のスタジオの新作告知や通常のSNS投稿にも、批判的なリプライがぶら下がっていったと報じられています。話題が「炎上」としてタイムラインを流れるうちに、たまたま近くにあった無関係な投稿まで巻き込まれていく——SNSでよく見る光景です。
報道によれば、ある中堅スタジオの拡張コンテンツの告知投稿にも、ソニーのディスク決定を結びつける形の"コミュニティノート"や批判がぶら下がったとされます。ただ、こうしたスタジオへの言及は事実紹介の範囲にとどめ、批判記事にはしません(社名は伏せます)。ここでの主役は特定の企業ではなく、「無関係な投稿にまで火の粉が飛ぶ」という現象そのものだからです。
とばっちり③:マーベル『ウルヴァリン』のトレーラーにまで
そして、いちばん象徴的だったのがマーベル『ウルヴァリン』の新トレーラーです。これはPS5向けに開発が進むタイトルで、Kotakuが2026年7月18日に報じた時点で、トレーラーには物理ディスクを話題にしたコメントが1万件を超えて集まっていました。映像そのものへの批評ではなく、ディスク問題への皮肉が大量にぶら下がった、という状態です。
報道によれば、トレーラー中のローガン(ウルヴァリン)が大切な写真(思い出の品)を握りしめる感情的な場面が、コメント欄で“物理メディアの喪失”になぞらえて皮肉まじりに転用されました。たとえば「物理的なものに執着するローガンを、よりによって今このタイミングでトレーラーに出すとは攻めている」といった趣旨のコメントや、英語で"physical(ローガンの肉弾戦)"と"disc"をかけた言葉遊びが評価を集めた、と報じられています(いずれも英語コメントの意訳で、原文の直接転載ではありません)。要するに、映像の感情的な見せ場が、まるごと“物理版を惜しむネタ”の受け皿になってしまったわけです。
面白い(と言っては失礼かもしれませんが)のは、ウルヴァリンのトレーラーそのものには何の落ち度もないことです。映像の出来を批判しているわけでも、開発チームを責めているわけでもない。ただ「PS5の話題で、コメントが集まりやすい場所だったから」という理由で、皮肉の受け皿になってしまった。ここまで来ると、怒りというより“ノリ”や“大喜利”に近い温度になっているのがわかります。
本題:なぜ怒りの矛先はズレていくのか
ここからがこの記事の本題です。正当な不満だったはずのものが、なぜ無関係な相手へ流れていくのか。今回の実例を並べると、いくつかの“力学”が見えてきます。
1. 本当の相手が「殴りづらい」から
ディスク縮小を決めるのは、巨大なプラットフォーマーや大手パブリッシャーです。相手が大きすぎて、反応も返ってこない。公式アカウントに何を書いても、手応えがない。すると人は、無意識に「反応が返ってきそうな、手の届く相手」へ矛先を向け替えてしまいます。小さなスタジオは中の人が直接SNSをやっていて、リプライも読んでくれる。皮肉にも、“ちゃんと向き合ってくれる相手”ほど流れ弾を食らいやすいという構造です。
2. 「ゲーム/PS5」という同じ棚に並んでいるだけで巻き込まれる
SNSのタイムラインでは、話題は文脈ごと運ばれてはくれません。「PS5」「物理版」「ゲーム」といったキーワードの近さだけで、無関係な投稿が同じ視界に入ってしまう。怒りモードで検索やタイムラインを眺めている人にとっては、“ゲーム関連の投稿”というだけで、ぜんぶ地続きに見えてしまうのです。ウルヴァリンのトレーラーが巻き込まれたのは、まさにこれ——「PS5向けタイトルで、いま人が集まっている場所」だったから、というだけの理由でした。
3. 文脈が剥がれて、感情だけが拡散する
炎上が拡散する過程では、「誰が・何に・なぜ怒っているのか」という文脈がどんどん削れていきます。残るのは「なんかゲーム業界にムカつく空気」という感情の塊だけ。後から流れを見た人は、元の争点を知らないまま「叩いていい空気だ」とだけ受け取り、いちばん近くにあった標的に乗っかる。怒りは伝播するけれど、理由は伝播しない——これが“とばっちり”の正体だと思います。
4. 途中から「怒り」ではなく「大喜利」に変わる
ウルヴァリンのコメント欄がわかりやすいですが、ある段階から参加者の動機は本気の抗議ではなく「うまいこと言いたい」に切り替わります。皮肉やネタが評価される場になると、内容の正しさより“ウケるかどうか”で投稿が増えていく。こうなると、標的が適切かどうかはもう誰も検証しません。祭りの神輿は、担ぎやすければ何でもよくなるのです。
まとめ:怒るのは自由、でも“射線”だけは確認したい
物理ディスクが好きな人が声を上げること自体は、まったく正当だと思います。棚に並んだパッケージを眺めていたい、という気持ちはよくわかります。問題は、その怒りが決定権のない小さな開発者や、何の関係もないトレーラーへ流れてしまうことです。
今回の一件は、特定の誰かが極端に悪かったという話ではなく、SNSにいる私たち全員が、いつでも“とばっちりの発信側”になりうるという実例だと受け止めています。怒る前に一拍おいて、「この相手は、本当にその決定をした相手か?」と射線を確認するだけで、防げるとばっちりはけっこう多いはずです。
——なんて偉そうに書いていますが、当ブログはAIと組んで運営している都合上、「文脈を確かめずに勢いで書く」ことの危うさは人一倍わかっているつもりです。だからこそ、この“矛先がズレる”現象は他人事に思えませんでした。
※本記事の出典:PlayStation公式ブログ(2026年7月1日・ディスク製造終了の発表)、Kotaku(2026年7月18日・『ウルヴァリン』トレーラーのコメント報道)、Push Square、Dexerto、VGC。ディスク終了の時期(2028年1月〜)とウルヴァリン関連の数値(コメント1万件超)は一次・報道ソースで確認済みです。一方、海外コミュニティの個別コメントは出典先報道の要約・意訳で、原文投稿の直接転載ではありません。攻撃対象になった小規模開発者を二次的に晒さないため、実名・アカウント・投稿画像は方針として意図的に掲載していません(この点は情報不足ではなく編集判断です)。